2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

十月、一枚の絵

二十代の中ほどに、たまたま図書館で図録集を繰っていて、一枚の絵から目が離せなくなった。月岡芳年『藤原保昌月下弄笛図』。 http://www.muian.com/muian04/04yoshitoshi04353.jpg 平安中期、十月のある朧月夜、一人の笛を能くする公家が曠野をゆく。袴垂…

初めてものの見え分かるの記

または南部。塵と、家と、沈む日と。「今なら見える(分かる)」と歌うけれど、いったい本当に分かる日なんてやってくるのだろうか。それはただ単に「慣れた」だけじゃあないのだろうか。なぜ「ない」ということがなく、ありとあらゆるすべてが「ある」と思…

ずー

多摩動物園に行ってきた。実は日本でも有数の規模で、小さい山ふたつ分ぐらいある。アジア園もオーストラリア園もあるけれど、とりあえずアフリカ園だけ撮ってもた。 正面ゲート ネコ科の大型肉食動物のみなさん 象前半 象後半 うめぇ、草うめぇ パオ〜ンち…

ところで

ところでって言葉から普通に入ったんだけれど、2000年代、いわゆるゼロ年代もあともう3ヶ月ほどですね。。。 ・ ・ ・ 昨日のPULP病が抜けない。以下はMTVのためか、親切にも字幕がついている。90年代のBRIT POPでは、ブレア政権下の'Cool Britanica'と呼ば…

お詫び

三十路のクセに、部屋で独りなのをいいことに、あまりの懐かしさとあまりの名曲っぷりに、つい踊ってしまったことをここにお詫びします。ジャーヴィス・コッカーがハリガネムシにしか見えない件。でもこれ聴いたらさ、多少なりとも体が動くでしょ普通、三十…

Trois Couleurs : Rouge

久々にレイトショーに行ってきた。21時−23時。下高井戸シネマ。『トリコロール/赤の愛』の再上映。火曜が安い日らしく、1000円だった。ラッキー。 結論から言うと、すごく良かった。ずっと昔に観たキリだったから殆ど内容を忘れていたし、当時はピンとこな…

アホすぐるw

80年代の村上春樹の小説にもその名が登場するTalking Heads。なぜ走っているのかは知りません。普通に曲はかっこいいのに、ヴォーカルのデヴィッド・バーンのこの動きwアホすぎますw自由すぎますwいやスゴいバンドなんですけどね実際。 いやそんなことは…

御堀端逍遥其壱

http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/index.html 出光美術館に行ったついでに、フラリと皇居に寄ってみた。だって目の前にあったから。二重橋。あと東京国際フォーラムで蚤の市みたいのやってた。 芭蕉展だったけれど、目当ては併設展の仙突義梵。http:…

御堀端逍遥其弐

http://www.bridgestone-museum.gr.jp/ 引き続きブリヂストン美術館へ。いやもはや堀端ではない。「うみのいろ うみのかたち」。印象派辺りからモダンアートまで、ひたすら「海」に関するものをずらずらずらっと展示。それ以外もいっぱい。 モネのアルジャン…

たまには普通に流行ってるやつを

これ、相当イイです。オランダだとか。懐かしいような、新しいような。とりあえずダンスでファンクでブレイクビーツです。「絞れ」とおっしゃる。 あと、この色彩感覚がいかにもヨーロッパだなあと。「紋章学」という学問もあるほどで、http://ja.wikipedia.…

「てぇ」を含む七つの所感

心にうつりゆくよしなしごとを そこはかとなく書きつくれば あやしうこそものぐるほしけれ。リスペクト吉田兼好。 + + + 日本語入力になっていると気付かずに「the」と入れようとすると、「てぇ」となる。間違ったという脱力感のみならず、その響きでまた…

塩素の匂い、パトリの萌芽

部屋中を掃除して、スッキリした。水道管の詰まりをとる液体を、原液のままだったり薄めたりして水まわりを掃除したので、部屋中が塩素くさいが、この手法、驚くほど汚れが落ちて綺麗になる。おかしな言い方だけれど、「ぺんぺん草も生えない」感がある。あ…

スペイン風舞踏

灼熱。寂滅。人々が求めているのは究極的には、これらのものなのだ。つまりは「世界の中でのある超越的な特異点」といっていいと思うんだけれど、普段は「日常」にもっとフィットするような、moderateな言葉を与えて、遣り過ごしているにすぎない。しかしま…

Stream of Consciousness

久しぶりにロウソク、もとい、キャンドルを灯したら… 以下の曲を思い出し、そしてこの曲を聴くといつもながら… 以下の絵本を思い出す。それにつけても、あの幼稚園にあった図書室は、なぜかいつもスモークチーズみたいなにおいがしてたなあ、とか思い出して…

ラディカルすぎる?んなこたないよ

たまにゃあこんなことも書くよ。ええ書きますとも。 今日がセプテンバーイレヴンスということで、方々で「反戦」みたいなことを見たり聞いたりした。もちろんあれは痛ましかったし、スペクタキュラーで歴史的にも大きな出来事だった。以下は書き手がそれを認…

百日紅、洞窟と塔のはなし

それが白であろうとも、目を惹くピンク色であろうとも、この時期に花が咲いてはじめて、ああこの並木はサルスベリのそれだったのだと、あらためて気がつく。 + + + 子供の頃から特別に感じていた「洞窟」という存在を、長じて今はユングだ何だと、明らか…

マジで!?

昨日何気なくオアシスのこと書き、さっきこれも何気なくmixiコミュで発見したんだけど… ノエルって脱退してたの!? 全っ然知らんかった自分にまず驚き、そして別段悲しくもない自分にまた驚き、さらに今さっきあった地震に驚いた。わおっ。 ま、バンドとし…

「弟分」と呼ばれ消えていったバンドの一類型に関する一考察

長いタイトルうざい?ウヒッ。 こういうことについて書き始めるとキリがないし、そして途端に実存パワー丸出しの頭の悪さげな口調になるので、かねがね自重していたんだけれど、たまたまようつべでみて、あまりの懐かしさに思わずうp。 90年代にUKロックを…

団地とアリゲイター

近所の団地で祭り的なことをやっていて、しかも以下のような様子で以下のようなジャズを流し、妙に洒落めかしている。「団地なら団地らしく東京音頭でも流しやがれ」とか意味不明な毒づきをこぼしつつも、同時に「しめしめ」とか思い、普通に参加して飲んで…

秋…まだ夏

フと、フと、ひむがしを、東を見たら、あんまりたいそうな満月が出ていたので、目をほそめて秋だなあと思う。秋…秋といえば、ともかくも永井龍男の名作中の名作『秋』を想う。一個・秋・その他 (講談社文芸文庫)作者: 永井龍男出版社/メーカー: 講談社発売日…

ダブル・バインド

さすがに、さすがに自分の中でいろいろと変わってきていて、正直それをどう結論づけていいかわからない。「本来無東西 何処有南北(本来東西無し 何処にか南北有らん)」という言葉があるけれど、まったく、まったくそこには良いも悪いも無いのだからなあ。…

愛の対義語

巷の迂闊なヒトビトは'Love & Hate'とかいうけれど、慧眼にして賢明な読者は既に人生の機微を通じてご存知なように、「愛」の対義語とは、「憎しみ」ではない、決して。 「憎しみ」と「愛」とは、所詮は同じ数直線上の目盛りの単なるリニアな移動にすぎない…