2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Hear My Song

って映画。俺が歌い出すわけではない。確か92年の作品で、世界的にはその年の映画として凄く評価されてたけど、なぜか日本ではそこまで話題にならなかった。 まだ存命だった淀川長治が、その年の最高の映画に選んでて、当時、映画キ○ガイだった自分は、その…

めもわある

19世紀、ヴィクトリア朝時代の英国の桂冠詩人、サー・ジェフリー・エドワード・ウォルトンは、端倪すべからざる酒飲みだった。彼のノルマン風の長身は、水でも紅茶でも、たとえそれがコルクを抜いたそばから蒸発するような類のアルコールであっても、まるで…

陰影礼賛

とにもかくにも、夏はコレ聴かにゃならん。コレ聴いて自転車で坂道を駆け抜けにゃならん。確かフェイ・ウォンは満州族の出だった。ヌルハチとしても鼻が高い。そういえばこの人のシャウトはいつ聴いても巫女っぽいというか北方的な、少なくとも北東アジア的…

Un Homme et Une Femme

「だばだばだ、だばだばだ…」 カイエ・ソバージュ。「野生のノート」。人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/01/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 100回この…

noise

うるさかった都議選がやっと終わったと思ったら、選挙カーがまだ戯言を垂れ流してやがる。「お礼」だと。だいたいこの国で「政治」と呼ばれているものは、実は政治でも何でもなくて、直接的にせよ間接的にせよ単なる「私的利害」の巨大な集積にすぎない。政…

準拠集団

ミニストップの前で、これ以上ないほど残念な3人のヤンキーが、「身体検査されてもバレないとこがあるんスよ〜」とか言ってた。何の話だよ。てゆうかむしろどこだよそれ。 社会学でいう「準拠集団」の話をまだ書いてないと思って。準拠集団。「個人が世界を…

シャボン玉ホリデー

今日は故あって、朝から4時間ほど小っちゃい女の子を預かることになり、公園でシャボン玉をして滑り台やブランコで遊び、お弁当を食べ、図書館で絵本を読み、あっという間だった。 瞬間、かわゆい。innocenceとは、かくも強いものか…いや、俺はこの子の何で…

ハッシャ・バイ

J-WAVEを聴いてたら、アオハタ・ジャムのCMで脱力した。ぽわ〜んとした感じの声で「林檎の果樹園は、紀元前の昔からあったという」とか、しかし、さも大発見であるかのように言ってた。 林檎の果樹園ぐらい、紀元前にあったに決まってんじゃん、普通に考えて…

むらくものもちづきにかかりて

この季節、じっとりした空気の中を飛ぶカラスアゲハが優美で、習性なのかしばらくついてくるのがまた可愛らしい。反対に(これは毎年だが)蚊って何でいるんだろうとか思うけれど、蚊を食べて生きている生き物もいっぱいいるしなあとか凡庸な結論に達する。…

「のぶお」じゃないよ「しのぶ」だよ

最近、折口信夫について読んでいる。國學院の卒業生とかなら嫌でも名前ぐらい知っているだろうが、柳田国男ほどには折口信夫の名が世に知られていないのは、この人の言ったことと、この人自身のある種のアブノーマルさによる気がする。 バイセクシャルで、ど…

すこやかなるやまひ

夜中の1時に酔っ払った兄から電話があり、しかしことさらに陽気というわけではなく、その言葉が途切れがちなのを最初電波が悪いせいかと思ったけれど、どうやらただ訥々と話すらしい。正直寝ようとしていたところだったけれど、俺も酔いが残っていたから、…

異邦人

こないだデリダの動画をうpしたこともあって、仏領アルジェリア生まれの知識人つながりということで、カミュのことを思い出した。 ところでフランスの旧植民地は洒落たところが多いと思う。デュラス原作の『ラマン』なんてエロい映画もあったけど(そしてそ…