スペイン風舞踏

灼熱。寂滅。人々が求めているのは究極的には、これらのものなのだ。つまりは「世界の中でのある超越的な特異点」といっていいと思うんだけれど、普段は「日常」にもっとフィットするような、moderateな言葉を与えて、遣り過ごしているにすぎない。しかしまあ、はたしてその事実に気付いている状態が幸せなのか、はたまた気付かずにただ埋没している状態が幸せなのかという段になると、前者については、正直どうも、お奨めはできない。




さて反復についてだけれど、全ての認識というものが結局は反復であり、再現前であるとすれば、実はあらゆるものが反復なのであるということができる。ある種の「繰り返し」が人間にとって快楽であるのは、この「現前性をいつまでも留めたい」という狂おしい欲望、いじましい願い、虚空へとアプローチされた指先、叶うことのない永遠への憧れによる。